造花の仏花を最近よく見かける理由とは何故か教えます


お墓(墓地、霊園)やお仏壇や神棚で造花の仏花を最近よく見る理由とは

仏花とは

お仏壇にお供えするお花を仏花といいます。
同じ花を2束一対で供花します。お花の種類は小菊、輪菊、カーネーション、トルコギキョウ、季節によりリンドウ、グラジオラス、桔梗、ほおずきなど。
ただし、昔は現在の花の流通網はない為、地域により花がないこともあり、葉だけお供えをしたところもあります。
基本的には身近にあるお花で良いようです。
ただあまり好まれない花はアザミ、バラなどの棘のある花や香りが強いもの、毒のあるものや、散らかりやすい花は避けたほうがよいようです。
色は白、赤、紫、黄色に葉の緑色が入ると仏花らしくなります。
本数は3本、5本、7本が一般的です。
形はひし形の形になるように作られています。

サカキとヒサカキの違いとは

榊(サカキ・本榊ともいう)は神棚にお供えします。漢字も木+神と書いて榊となります。
榊が育たない関東や東北では、姫榊・非榊(ヒサカキ・下草・シバ・チラサキ・チラ・ビシャコ)を使用していることが多いようです。
またヒサカキを仏壇に使う地域もあります。
樒(しきみ・シキミ・しきび)の植栽がある地域では、仏事には樒を使うことが多いようです。お寺に植えられているところも見受けられます。

お墓(墓地、霊園)やお仏壇や神棚で造花の仏花を最近よく見る理由とは

全国的に見ても早い段階で九州方面で普及していましたが、これにはいろいろな要因があるようです。
九州など気温の高い地域では、お墓にお花をお供えしても水がすぐにお湯のように温度が上昇してしまいお花がダメになってしまいます。
また、文化的にお墓を豪華で明るい色のお花で飾る傾向にあります。また蛍光色に近いようなお花の色が使われている仏花も見受けられます。造花には年中色とりどりのお花を供給できることもありニーズにうまくマッチしたといえます。
しかし、一因としては『デング熱』があるのではないかとおもわれます。
お墓のお花を刺すお供えの水に蚊が繁殖してしまうことは古くから問題になっていましたが、蚊により感染する『デング熱』により墓地や霊園で、造花の使用が増える要因 になったのではないでしょうか。

温暖化の影響か、2014年、東京都でも『デング熱』の感染が問題となっており、この傾向は今後広がる可能性があるといえるかとおもいます。

そのほかにも造花の仏花自体の技術の進化による精巧さも挙げられます。少し見ただけでは生花と見分けがつかないぐらいのものも現れ、使用期間も生花よりも永く使えることもあり選ばれる要因となっています。
また、生花から加工して長期間楽しめるプリザーブドフラワーの仏花も注目されています。
ただ、プリザーブドフラワーで仏花を作る場合、サカキ、シキビ、ヒサカキがないので、アイビーなど他のグリーンの葉を使うか、造花(シルクフラワー)のサカキ、シキビ、ヒサカキを使うことになります。
(追記・・・ヒサカキは大地農園で発売されました。ただし少し生産が安定していない様です。)
ちなみに、最近ではブライダルフラワーの対義語でフューネラルフラワーなる言葉まで聞かれるようになりました。花材業界では葬儀の花だけでなく仏花にもそのように呼ぶ傾向にあります。


業者が語るあまり知られていないプリザの話


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